シアトル・マリナーズ。
21年ぶりにポストシーズン進出を決めたね。
21年前はちょうど2001年。
イチローが入団した年だ。
覚えてる?
ゲームの事はほとんど覚えてないけど、
その年の個人的な出来事はよく覚えている。
人生を変える大きな事件。
大げさではないよ。
なにが転機になるかわからないもんだね。
当時、所属していたのがワル〓ース。
カメラマンやデザイナー、 編集者などが集まったチーム。
神宮外苑をフランチャイズにし、試合数は年間20ほど。
水島先生のチーム「あぶさん」ともしばし対戦する、神宮外苑では老舗の草野球チーム。
入部3年目の自分は若手。
腕前は上の部類で大きな戦力だと自負していたんだ。
それが…
前年(2000年)の夏。
思ってもいない出来事だった。
杉並区野球連盟の1回戦。
普段はお遊びの草野球。
ちょっとだけガチの試合を味わおう公式戦にトライだ。
1時間前にグランドに到着。
8月の陽射しの強い日だった。
準備万端だった。
が、なぜか先発を外されてしまった。
人数が多かったから仕方ないよね。
誰か一人は外れなくちゃね。
それが自分だったというだけの話さ…
と、納得しようとしたけど、十分にショックだった。
ピンチヒッター、それから守備固めになるんだろうなと予測していた。
しかしそれが…
出番のないまま、試合終了。
理由は聞かなかったよ。
ご高齢の監督に存在が気づかれなかったのか?
そんなわけはないな。
同じベンチに座っていたんだから…
ユニフォームを脱ぐ時の屈辱感。
生まれてはじめて味わったよ。
気持ちが表情に現れていたんだろうね。
声をかけてくるメンバーはいなかった。
相当に怖い顔をしていたのかも知れない。
帰路。
無意識にカーステレオの音量を上げた。
ふつふつと怒りがこみ上げてきた。
そしてその瞬間、決意を固めた。
「このチーム、辞める!」
「草野球の窓」だったかな?
今では当たり前の見知らぬ人たちとの出会い。
まず手始めに…
地元の早朝野球チームにこわごわ体験参加した。
立ち上げたばかりのチームでユニフォームは不揃い。
2組の親子が参加し、ほのぼのとしたムードだった。
グランドは林を伐採した空き地。
ラインなし、マウンドなし、そしてベースすらも…
日曜の朝6時に試合開始。
試合を終え、9時前には帰宅という健康的なチームだった。
なるほど、こういう感じか…
助っ人、体験参加の要領、雰囲気がわかりはじめた。
新たな出会い、別世界での人間関係の広がり…
新鮮で、意外と悪くない。
もう1チーム、体験してみることにした。
チームの紹介文に「お笑い野球集団」とあった。
埼玉県のチーム。
その日のグランドは江戸川河川敷だった。
神宮外苑に馴染んだ身としては都落ち感は否めなかったが、「新しい世界」と割り切って参加した。
ドミニカ〓ビルレイズ。
お笑い野球集団?
ほんとうに?
誰を笑わせるんだ?
まじめに野球ができるんだろうか?
野次は発せず、ギャグを飛ばす。
2001年。
このチームでボクの本格的な草野球人生がリスタートした。
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